iOS14.3にアップデートが可能になりましたが、主な変更点はAppStoreの表示の一部変更です。
「Appプライバシー」という項目が追加され、このアプリが自分が遊んだどのデータが運営側に渡るのか、カメラやマイク等のアクセスは必要なのかを事前に知ることができます。
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iOS14.3以降「Appのプライバシー」項目が追加!
iOS14.3から追加されたAppStore関連の新機能は「Appプライバシー」です。
AppStore内でダウンロードしたいアプリのプライバシー情報も確認できるようになったため、ダウンロード・インストール前にチェックしておくのをおすすめします。
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トラッキングに利用される項目がAppStoreで確認可能
Appプライバシーとは、AppStoreのアプリページにて追加表示されている項目のことです。
デベロッパ(開発者)が公開している、「このアプリ内で集められるユーザーの情報」がなんなのかを明記したもので、いわゆる「アクセスの許可を取る項目」です。
画像右側赤枠内の「詳しい情報」を見れば、トラッキングデータ、ユーザーに関連づけられた(関連づけられないデータも同様)に分けて確認が可能です。
この機能が追加された目的は「ユーザーがこのアプリでは自分の情報がどのように使われるのか」の情報を収集するためのもので、ユーザーはAppプライバシーを見て安全性等を確認できます。iOS14.3以降のアップデートで、デベロッパ(開発者)はAppプライバシーの公表が義務付けられたので、近日どのアプリにも表示されるようになります。
どのような表示がある?
いわゆる、アプリが集めたい情報が一覧となって表示されている(関連づけ、トラッキング利用で分けられてはいます)ので、基本的にはどの自分の情報が運営に渡る可能性があるかと把握しておいて問題はありません。
位置情報の場合は自分の端末で位置情報をオンにしているかしていないかに左右されるのでそこまで大きな問題はありませんが、例えばカメラアプリ等はカメラのアクセスは必須です。このアクセスの有無もAppプライバシーから確認可能です。
表示項目の一部
- 位置情報
- 連絡先
- 閲覧履歴
- カメラ
- マイク
- 写真
- 購入履歴
- ユーザーID・デバイスID
- 使用状況データ(広告データ送信)
- クラッシュデータ
- パフォーマンスデータ
- オーディオデータ
など
これらの情報は、「透明性とコントロール」というアップル社のプライバシーに関連する基本原則に則って自分たちが集めたい情報が公開されています。
Appプライバシーの中に「位置情報」がない場合はそのアプリで位置情報が集められることはありませんし、逆に「オーディオ、写真」等は必ずしもアクセスしなければいけないわけではなく、自分がアクセスの許可を出すかでアプリに情報を収集させるかを選択できます。
また、「ユーザーに関連づけられないデータ」に表示されている項目は、情報こそ集められるもののユーザーの識別情報には関係しない情報です。
iPhone12シリーズ以外にも対応
2020年下旬にiPhone12・iPhone12 Proシリーズが登場しましたが、iOS14.3のアップデートはiPhone12シリーズに限らず行えます。
アップデート所要時間はおおよそ30分+再起動時の更新10分程度(WiFi込み)で、やや時間がかかります。
iOS14.3以外にもアップル社が公開した更新データでAppプライバシー対応の更新あり
アップル社はiSO14.3の公開と同時に「MacOS Big Sur 11.1(Mac端末対応)」「iPadOS 14.3(iPad端末対応)」「watchOS 7.2(Appwatch対応)」「tvOS14.3(AppTV対応)」も公開しています。
それぞれ異なるアップル製品の更新データで、どのデータにもAppプライバシーの新規表示が追加されています。
「詳細が提供されていません」と表示されるアプリもあり
中には、「詳細が提供されていません」もしくは「No Details Provided」と表示されているアプリもあります。
詳細なしの表示
- 詳細が提供されていません
デベロッパは、次のAppアップデートを提出するときに、プライバシーの詳細を提供する必要があります。 - No Details Provided
The developer will be required to provide privacy details when they submit their next app update.
これは、デベロッパがまだ情報を公開していない旨を表しています。
アップル社が新しくAppプライバシー提出を義務づけて必ずAppStoreにて掲載されるので、「詳細が提供されません」のアプリもいずれAppプライバシーのなんらかの情報が出てきます。
開発者側の処理なので自分は何も行わなくていい
「詳細が提供されていません」の表示が出る原因は自分ではあくデベロッパ側がAppプライバシーの情報をアップル社に提出していないからです。
そのため、詳細が提供されていませんと表示されているアプリをダウンロードできない等ではなく、単純に現時点では情報収集される自分の情報が公開されていないだけだと考えてください。
「次のAppアップデートを提出するときに、プライバシーの詳細を提供する必要があります」の一文がありますが、これはユーザーに向けてものではなくデベロッパに向けた言葉で、ユーザーは全く関係がありません。
また、AppStoreに掲載されているアプリなら、仮に詳細が提供されていませんと表示があったとしても、アプリのダウンロード・アップデートは可能です。
「詳細が提供されていません」表記のアプリも危険なわけではない
Appプライバシーに「詳細が提供されていません」と表示されているアプリも、必ずしも危険だとは判断できません。
まだ情報公開するものの提出ができていないだけで、蓋を開けてみれば安全だった、特に情報収集やアクセスは必要としていないアプリもたくさんあります。
もちろん全てが全て安全なアプリばかりではありませんが、一度はアップル社の審査に通ってAppStoreに掲載されたアプリばかりなので、危険である可能性は低いです。
プライバシーポリシーでもトラッキング利用項目は確認可能
「プライバシーポリシー」とは、各アプリ会社が取り扱うプライバシー情報(顧客情報)がどのように使われるか、どの範囲で取得しているのかを明記した規約のようなものです。
タップするとプライバシーポリシーが開かれ、これを見てどの情報を集めて情報がどのように使われているかを確認できます。文字が多いためAppプライバシーで確認した方がはるかにお手軽ではありますが、Appプライバシーに詳細が表示されていないアプリのプライバシーをチェックしたい場合は確認してください。