「googleがウイルスを検出しました」「お使いのAndroid 6.0はウイルスに感染しました」「4ウイルスによって破損しています」。スマートフォンでブラウザを使っている際に、右のような文章が表示されたことはないでしょうか。
これは本当に感染しているわけではなく詐欺のようなものなので、昔からPCやブラウザ上にあったものでした。しかし最近になってこのポップアップが多くのユーザーに表示され、問題になっているようです。
今回はそんな文言が表示された場合どうすればいいのか、またその原因や類似した事例についても解説していきます。
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感染は本当なのか?
ブラウザ上で「ウイルスを検出しました」といった文言が表示されるととても不安になりますよね。
その上「ウイルスが検出されました」というエラーメッセージとともに「○件」といった検出したウイルスの件数や「バッテリーが感染・損傷しました」といった具体的な感染箇所、さらに機種名やOSバージョンまで表示されることもあるようです。
しかしこのときに本当にウイルスに感染しているのでしょうか。
実はこの感染しているというのは全くの嘘なのです。感染箇所は全くのデタラメ、googleの名を騙っているだけで発信元もgoogleでは決してありません。
ポップアップの目的は?
このようなポップアップには必ずといっていいほど、それに続くページでアプリのダウンロードページに誘導されます。そのページの多くはウイルス対策ソフトをダウンロードさせるものです。
似たような事例が多い?
Googleを名乗る怪しいポップアップ以外にも、似たような事例はたくさんあります。最も酷似しているのが架空請求の詐欺でしょう。
どこかのサイトにアクセスしたら入会費を請求され、高額のお金を支払ってしまうなどの被害はずっと危険性を叫ばれているにもかかわらず一向になくなる気配はありません。
またブラウザから以外でも、メールやLINEを入り口として似たような事例が多発しています。お年寄りや年配のサラリーマンがメールで有料サイトの請求をされ、被害に遭うという事例はよくある話として誰もが聞いたことがあるでしょう。
ウイルスに感染しました、と不安を煽り、そこからセキュリティソフトをダウンロードさせようというやり方は、人の不安につけ込むやり方です。このような手法は定着しており、これからも似たような手口が出てくるでしょう。
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発信者は何が目的?
発信者の目的はどこにあるのでしょうか?手のこんだ手口でダウンロードさせることで一体どのようなメリットがあるのでしょう。
報酬を得るため
アプリをダウンロードさせることで発信者が報酬を得ることができます。一種のアフィリエイトのようなものです。何らかの商品を紹介し、それが購入やダウンロードされると紹介者は報酬を得られます。
ただアフィリエイトそのものは全く悪いことではありませんが、このように詐欺まがいの手口でアプリをダウンロードさせるのはやり方として上手いものとは思えません。
デバイスをウイルス感染させる
ダウンロードすることでデバイスがウイルス感染され、個人情報を抜き取られたりといった被害に遭う可能性があります。よく分からないアプリ全般にあり得るリスクです。
発信者はアプリをダウンロードしたユーザーの個人情報を抜き取ることで、それをさまざまな目的に使用します。自分のよく分からないところで個人情報が悪用される可能性があるだけでなく、クレジットカード番号を勝手に使われたりするかもしれません。
個人情報の収集
最近のアプリはウイルス感染させなくてもダウンロードさせるだけで個人情報の収集が可能です。それは程度の差こそあれ、全てのアプリがそのようになっています。
マーケティングを目的として、どの企業もデータの収集を行っているからです。ですからそウイルス感染などさせなくても個人情報がアプリをダウンロードさせるだけで抜き取れるため、実はウイルス感染の被害というのは可能性としては少ないです。
アプリによってはユーザーの位置情報まで常に把握しているようなケースもあります。把握されたからといって悪用されることは普通あり得ませんが、嘘のウイルス感染の警告からダウンロードしたアプリなんて手口が手口だけに悪用されてしまいそうでとても怖いです。
どんなときに警告が表示されやすい?
警告はどのようなときに表示されやすいのでしょうか。表示されやすいパターンを避ければ警告によって不快な思いをしなくて済むかもしれません。
広告をタップしたとき
最も多いパターンは広告をタップしたときです。ポップアップ広告をタップしたらさらにポップアップが出てきて警告を発してきた、というパターンが非常に多いです。
これはアダルトサイトの架空請求などともやり方が共通しているため、いくら広告の一種とはいえ悪質だなと思わざるを得ません。
アプリ紹介サイトにアクセスしたとき
おすすめのアプリを紹介しているようなサイトからの流れで突然ポップアップが表示され、ウイルス感染などの警告が発されるケースが多いです。
やはりアプリをダウンロードさせることが目的なので、人気アプリの紹介サイトからの流れならば自然にダウンロードしてもらえるという計算が組み込まれているのかもしれません。とても巧妙な手口で、嫌になります。
アダルトサイトにアクセスしたとき
最近のポップアップ広告はサイトごとの表示ではなく、お使いのブラウザの閲覧履歴を参照にした上で最適な広告を表示するようになっています。もちろん全ての広告ではありませんが、ユーザーのサイト閲覧履歴を参考に広告を表示するタイプのバナーを貼りつけているサイトならばよくあることです。
特にアダルトサイトをよく閲覧するようだと、悪質な広告がよく表示されるようになる可能性が上がるようです。
注意していても警告文が表示されることも
どのように注意していてもウェブサイトを閲覧している限りは警告文が出てくるときは出てきます。警告文が出てくる類いの広告はユーザーの興味関心をデータで算出し、興味のありそうなものを表示するため確かにアプリ関係やアダルト関係を閲覧していると広告から表示される可能性は上がります。
ただそれらのサイトを避けても、可能性はゼロにはできません。広告配信のパターンがあって、パターンの隙間を狙ってポップアップに自動的にジャンプするように仕組まれているからです。
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警告が表示されたときの対処法はある?
出どころがはっきりと分からないウイルス感染の警告が表示された場合、対策方法はあるのでしょうか。
無視する
デバイスへの警告を発しアプリをダウンロードさせるという巧妙な手口であるため、それが嘘だと分からないと不安でダウンロードしてしまうでしょう。メールでの架空請求にお金を払ってしまう心理と似たものがあります。
しかしブラウザで「ウイルスに感染しました」という表示が出ても、嘘だとあらかじめ分かっていれば対処することができます。
警告表示が出てもダウンロードしない限りは特に何も問題ありませんから、警告を無視してブラウザを閉じてしまいましょう。
普段から信頼できるウイルス対策ソフトを入れておく
普段から信頼できるウイルス対策ソフトを入れておき、それ以外の警告は全て嘘だと思っておきましょう。第一、ウイルス対策ソフトとして使っているアプリ以外でお使いのデバイスがウイルス感染しているかどうかなど分かるはずがありません。
基本的にウイルス対策ソフトをひとつダウンロードしておけば本当に感染する可能性があるときは本物の警告を発してくれます。
無料のものもたくさんありますが、Androidユーザーならばウイルス感染したときのリスクを考えて、月額数百円くらいのアプリを利用しておいた方が安心でしょう。
Cookieを削除する
ブラウザのCookieを削除するのも有効な方法です。広告はユーザーのブラウザ閲覧履歴に応じて好ましいと思われる広告が配信されています。
ということは、履歴が警告文が表示されやすいパターンになってしまっているのです。そして履歴はCookieによって保存されるので、Cookieを消せば履歴は全て消えます。
ただしCookieを消しても似たようなサイトを見ているとまた同じように警告文が表示されるでしょう。パターンによって広告が表示される仕組みですから。
アプリをダウンロードしてしまったら?
「googleがウイルスを検出しました」という警告文に驚いてしまい、素直にアプリをダウンロードしてしまった場合、どうすればいいのでしょうか?そのアプリを使い続けるしかないのでしょうか。
アプリを削除する
必ずしもダウンロードしたアプリは危険とは限らず、セキュリティーソフトとしてしっかりと機能するかもしれません。しかしダウンロードさせるまでの手口を考えると、不信感がどうしても強く残ってしまいますから正直なところ使いたくないでしょう。
ウイルス感染を目的とせず、単にアプリをダウンロードさせることによる報酬を得るのが発信者の目的であれば、アプリを消してしまえば特に被害はありません。
不安ならばスマホのデータを初期化する
アプリを削除しても不安なら、スマホのデータを初期化し、工場出荷前の状態に戻してしまいましょう。ただそうするとデータが全て消えてしまいます。
初期化はAndroidならば、設定→バックアップとリセット→データの初期化→携帯端末をリセット→暗証番号を入力ですぐに可能です。
ただ初期化すると購入したゲームや音楽、映画などのコンテンツの情報を含めた全てのデータが消えてしまうため、バックアップはしっかりと行っておきましょう。
警告が表示されないようにするには?
警告がはじめから出てこなければ、悩む必要もありません。警告が表示されないようにするには、怪しいサイトにアクセスしないのが一番です。ただ、何が怪しいサイトで、何が怪しくないサイトかというのはとても見分けが付きにくいですし、広告の仕組み的に出てくるときはどうしても出てきます。
ですから根本的に警告文が表示されないようにする方法を知っておくのが重要です。
アドブロッカーなどの広告が表示されなくなるアプリを使う
アドブロッカーなどの広告が表示されなくなるアプリがあります。警告文は広告の仕組みによって出てくるので、広告が表示されなくなれば自然と出てこなくなります。
iPhone、Android共に利用できるので、使っていない人は使ってみましょう。
ウェブフィルタリング機能を使う
どうしても警告が表示されるのが嫌なら、ウェブフィルタリング機能を使いましょう。フィルタリング機能は各社子供がウェブを閲覧するときのためのサービスとして提供していますが、フィルタリングしていればある程度怪しいサイトへのアクセスをあらかじめ遮断することができます。
ただ警告文は一種の広告の手法なので、似たような手法は通常のショッピングサイトでも見かけることがあるため、完全に遮断するのは難しいかもしれません。
こんなにあるウイルスの種類
最後にウィルスの種類について紹介します。ウイルスは実はこんなにたくさんの種類があるんです。
Apple iPhoneでウイルスが(2)個検出されました。
Googleを名乗るセキュリティソフトからの表示です。Androidのバージョンはおなじみですが、iPhoneのバージョンも増えてきています。
ウイルスを削除しない場合、それはあなたの携帯電話に重大な損傷の原因となります。
あなたは今、ウイルスを削除しない場合、それはあなたの携帯電話に重大な損傷の原因となります。ここでは、(ステップバイステップ)を行うために必要なものです:
ステップ1:ボタンをタップするとGoogle Playで無料でAPPをインストール!
ステップ2:スピードアップし、今お使いのブラウザを修正するためにアプリを開きます!
警告!
いかにも翻訳しましたという文章な辺り、外国から送られてきているのでしょうか。巧みな言葉でセキュリティソフトをダウンロードさせようとします。
お使いの は、(6)個のウイルスにより深刻に破損しています!
お使いの は、(6)個のウイルスにより深刻に破損しています!
お使いの で最近の感染したサイトを閲覧中に、ブラウザトロイの木馬ウイルスに感染し損傷(45.4%)したことが検知されました。
ーションなどの大切なデータへの感染の拡大を回避するには、直ちに行動することが必要です。Facebookのアカウント、Whatsappのメッセージ、写真および個人用アプリケ.
段階を追ってわずか数秒で解決する方法は、以下の通りです:
ステップ1:“ウイルスを削除”をタップして、推奨されたCleaner&Speed BoosterアプリケーションをGoogle Playからインストールしてください。無料で
ステップ2:アプリケーションを開いて、最近のアップデートをアクティブ化し、感染したアプリケーションおよびファイルをすべて除去してください。
こちらも翻訳文っぽくて、やっつけ仕事感がありますが、よく報告されるポップアップなので注意が必要です。
バッテリーが感染して破損していることが分かりました。
Sharp Aquos Phone Serie Miniで 個のウイルスが検出され、バッテリーが感染して破損していることが分かりました。
1分59秒
バッテリーの修復方法:
ステップ1:下のボタンをタップしてGoogle Playストアに移動します。おすすめのウイルス削除アプリを無料でインストールします。
ステップ3:アプリを起動させ、全てのウイルスを削除してバッテリーを修復します。
undefined すべてのウイルスを完全に除去して他の攻撃を防ぐために、アプリを少なくとも7日間保持します。
ステップ2がない辺り、ダウンロードさせる気があるのかさえ怪しい感じですが、バッテリーがウイルス感染しているという新しさがあります。
こちらも上記と同パターンです。複数の感染が確認されているところがポイントでしょうか。