2019年2月ショート動画の作成・シェアアプリ「TikTok(ティックトック)」が、アメリカで子供の個人情報を違法に収集していたことがわかり、6億3000万円を支払って和解すると報道されています。
今後TikTokでは低年齢のユーザーの利用が制限されるようになるのですが、個人情報を違法に収集していたアプリを使い続けても大丈夫なのでしょうか。
以下で、TikTokの個人情報違法収集の詳細や低年齢ユーザーの利用禁止、日本でも個人情報が抜き取られてた?、どんな情報を収集して何に使ってる?、中国に送信されてる?について徹底解説します。
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TikTokが子供の個人情報違法収集で6.3億円を支払う
アメリカで13歳未満の子供の個人情報を違法に収集していた問題で、TikTok(ティックトック)は米連邦取引委員会(FTC)に和解金6億3000万円を支払うことが決定しました。
アメリカでは13歳未満の子供の個人情報を集めるには保護者の同意が必要なのですが、子供たちが親の同意を取らずにアプリを利用できる状況を放置していたことが発端となっています。
なぜ13歳未満のユーザーの利用が制限されているのかというと、公開されたプロフィールの情報を元によからぬ目的で近づいてくる大人から子供を守るためです。
保護者の知らないところで子供の個人情報が集められているというのは非常に危険なことですよね。
13歳未満のユーザーは使えなくなる?
この件でTikTokはすでに対策を講じており、13歳未満のユーザーはフォローのみを可能とし、ショート動画の作成やアップロードはできないようになります。
また、13歳未満のユーザーによってすでに投稿された動画についても削除していき、本来のTikTokアプリとは別に低年齢層向けのアプリも提供する予定です。
今の所この変更はアメリカとイギリスのみで適用されますが、今後日本など他の国でも導入される可能性は十分あるでしょう。
しかし13歳未満の子供の利用を厳格に制限することは難しく、例えば年齢を偽って登録することも可能です。
日本は大丈夫!?
TikTokサービス規約によると「年齢制限本サービスは、13歳以上の方(中略)のみが利用できるものとします。」とあり、そもそも13歳未満のユーザーの利用が認められていないため、無断で個人情報を収集しているということはありません。
また日本で13歳以上20歳未満のユーザーがTikTokを利用するには親権者の同意を必要とします。
しかし、子供が勝手にTikTokを利用している場合はこの限りではなく、日本でのTikTok側の対策も十分でないため、保護者は子供のスマホの利用状況に目を光らせておく必要があります。
抜き取られていたか確認する方法はある?全員?
今回アメリカで違法と見なされたのは、「子供の個人情報を保護者の同意なく」収集していたことで、TikTokがユーザーの同意のもと個人情報を集めるのは違法ではありません。
TikTokのプライバシーポリシーにもユーザーの情報を収集すると明記されており、「お客様が本ポリシーの全部または一部について同意されない場合、本サービスを利用することはできません。」とあります。
つまり、個人情報を提供することに同意しない限りTikTokを使うことはできないということです。
アプリの利用規約やプライバシーポリシーを読み飛ばしてしまう方も多いかと思いますが、ユーザーはどんな情報を収集されているのでしょうか。
どんな情報が抜き取られてた?
TikTokのプライバシーポリシーでは、「当社が収集するお客様の情報」として以下の項目が上げられています。
- 連絡先
- 作成したコンテンツ
- 位置情報
- クレジットカード情報
- SNSプロバイダーを通じて共有された情報
- アプリの利用状況
- アプリ内で送信したメッセージ
- 電話帳内の連絡先(許可した場合に限る)
個人情報は何に使われるの?
様々な情報が収集されていることがわかりましたが、問題はなぜこれらの情報が必要なのかということです。
他の多くのサービスと同様、TikTokでは個人情報の利用はサービスの改善やユーザー体験の向上を目的としています。
今日ではネット上のあらゆる場面で個人情報が収集されており、注意すべきは不正に利用されていないかという点です。
これまでにTikTokが個人情報を不正に利用していたという話はありませんが、2019年の初めに少し気になる警告がアメリカより寄せられています。
個人情報が中国に送信されてる!?
2019年1月、ピーターソン国際経済研究所(米ワシントンDC)はTikTokが以前からユーザーの個人情報を中国に送信していると警告しています。
そもそもTikTokの開発元であるBytedance社は中国企業なので、本国にデータが送られていたとしても不思議ではありませんが、中国と他の国では少し事情が違ってきます。
なぜなら中国当局による要請があれば、企業が保有しているデータは国の情報機関に簡単に渡ってしまうからです。
そのためTikTokが中国諜報機関のために個人情報を集めていると言われているんですね。
真相は不明ですが、華為技術(ファーウェイ)のようにTikTokが今後厳しく規制される日が来るかもしれません。
このように個人情報は他国に送信される可能性もあるということを頭の片隅に置いて、ユーザーはTikTokを利用する必要があります。