今回は、YouTubeの子供向けコンテンツ規制の詳細と広告制限にならない対処法を徹底解説していきます。
YouTubeの新たな規制に「子供向け動画コンテンツ」が対象となって、一部の子供向け動画が見直されるようになりました。
どのような規制がかかったのか、規制対象とならないためにはどうすればいいのか等を下記で解説していきます。
コンテンツ
YouTube子供向けコンテンツの規制が実装
世界中の人々が利用している動画サイト「YouTube」には子供向けコンテンツと言われる動画がありました。
例えば、子供向け教材動画や子供が好きそうなアニメ等の動画のことで、YouTube Kidsでは無条件で視聴できる動画のことです。
本来なら子供向けに作られた健全な動画であるはずですが、2019年11月以降、これらのキッズ向けコンテンツが「本当にキッズ向けなのか」という観点から厳しく見られるようになっています。
これを「子供向けコンテンツの規制」というのですが、この規制の詳細を紹介していきます。
なぜ子供向けコンテンツが規制された?
子供向けコンテンツがYouTube全体で規制された原因は、YouTube(米Google)が「YouTubeを使って子供の個人情報を違法に収集した」という内容で訴えられ、和解金として1億7000ドル支払ったことが原因ではないかと言われています。
アメリカには「児童オンラインプライバシー保護法」というものがあるのですが、YouTubeがこれに違反したとする内容でした。
当然、違法に個人情報を入手したのがYouTube側の意図したものではなく、動画を投稿したユーザーがなんらかのキッズ向けコンテンツの違法に引っかかったことが原因だと考えられています。
しかし、YouTubeでは事態を重く受け止め「YouTube全体のキッズ向けコンテンツを規制して安全に使えるようにしよう」と考えたのでしょう。
YouTubeにおける子供向けコンテンツとは
YouTubeにおける子供向けコンテンツとは、下記の動画のことです。
子供向けコンテンツ動画
- 子供もしくは子供キャラクターの動画
- 子供向け人気番組のアニメ等の動画
- 子供のおもちゃ・お芝居等
- ごっこ遊び、創作遊び
- 子供向けの童話や物語等
これらのコンテンツを「子供向け動画」として自分で設定しなければいけなくなったので、上記に当てはまる動画を投稿した場合は、設定で間違いなく動画設定を行うようにしてください。
子供向け動画に設定していないと、広告ストップやアカウント停止等の罰則を喰らってしまう可能性があります。
また、子供向け動画に設定すると、コメント等の一部の機能も使えなくなるので、今まで子供向けに設定していない場合とは違った使い方となるかもしれません。
子供向けコンテンツ規制内容
YouTubeで実装された「子供向けコンテンツの規制」の中身を具体的に紹介していきます。
特に、今まで子供向けコンテンツを提供してきた動画投稿者やYouTuberには多大なる影響を与える規制ですので、よく頭に入れておくことをおすすめします。
具体的にどのような部分が変わったのか見ていきましょう。
子供向けなのに過激内容の動画投稿者をアカウント停止
例えば、子供向け内容の動画とされているのに子供が喜ぶような内容ではなかったり、公序良俗に反する内容の動画をアップして、YouTube Kidsを利用している子供たちに嫌がらせをしようとしているユーザーがいました。
このような動画をアップロードしたユーザーのアカウントを停止するように規制を強化しています。
もちろん嫌がらせ目的ではなく、投稿された動画が子供向けと客観的に見られなかった場合等もアカウント停止もしくはなんらかの処罰が与えられる可能性があるので、キッズ向けコンテンツを提供している全ユーザーは気を付けておきたい部分となります。
例えば、「スプラトゥーン」や「ポケモン」等の子供が好きそうなコンテンツではなく、上記動画(これは子供向け動画ではありませんが)のような格闘ゲームの動画も注意する必要があります。
不適切な動画の広告を非表示
Googleには「動画広告」がありますが、子供向けコンテンツで内容が違反していると思われるものは、広告がつかなくなるように設定されています。
これはYouTubeが実際に確認して広告を消すかどうか決められるようになりますが、過去の動画もAIの判定でいつの間にか広告が消されるような事態になる可能性も考えられます。
また、各ユーザーがGoogleで検索している内容に伴う広告を表示させる「パーソナライズド広告」に関しては、子供向け動画・チャンネル上で完全に停止されるとの志向を露わにしていました(広告自体は付くが単価が安くなる可能性もあり)。
これも子供向けコンテンツを提供する動画投稿者やYouTuberに関係がある重要な要素です。
動画・チャンネルに「子供向け」設定を義務づける
上記の動画はYouTube動画投稿者向けの編集アプリ「YouTube Studio」の設定画面ですが、その中に「チャンネルを子供向けとして設定しますか?」という項目が新たに追加されています。
子供向けコンテンツ規制に伴って追加された項目で、子供向けコンテンツを提供するかどうかを、チャンネル単位もしくは動画単位で設定することを義務づけています。
動画投稿した際にデフォルトでは「子供向けコンテンツではない」に設定されていますが、子供向けコンテンツにする場合はこれにチェックを入れるか、上記の設定画面で「はい」を選択する必要があります。
これを全動画投稿者が設定すべきと決定したので、新しく項目が追加されたのだと考えてください。
ちなみに、設定方法はYouTube Studioのホーム画面左側の「設定」を押す必要があります。
表示されたポップアップから「チャンネル」→「詳細設定」と選択すれば、上記画面が出てきます。
この子供向けとして設定するかという項目から、はいかいいえ、もしくは「アップロード時に選択」を選んで設定してください。
未成年出演動画のコメント取り締まり
YouTubeでは、子供向けコンテンツに限らず、未成年が出演する動画のコメント規制を行っていました。
誹謗中傷のようなコメントがあった場合は削除するようにYouTubeが実装していたのですが、この取り締まりをさらに強化することも、子供向けコンテンツ規制の一貫として発表しています。
これは動画投稿者というよりも「動画にコメントするユーザーが気を付けるべきこと」となっています。
コンテンツ規制で広告が制限されないようにする方法
YouTubeの子供向けコンテンツが規制強化されたことによって、子供向け動画を提供する人は、もう一度自身の動画を見直す必要が出てきました。
いきなりアカウント停止にされる可能性は低いのですが、パーソナライズド広告完全停止も含め、広告の非表示に関しては大きな問題となっています。
自分の子供向け動画の広告を止められると、YouTuberとしての収入も少なくなってしまいますし、チャンネル登録者にも影響が出るかもしれません。
どのように規制から免れることができるかを紹介します。
子供向けコンテンツ動画・チェンネルに設定しない
子供向けコンテンツ動画(チャンネル)に設定していないのなら、今回の子供向けコンテンツ規制強化の手から免れることができます。
例えば、「子供向けコンテンツではないけど大人向けでもないからとりあえず子供向けで設定しておこう」という人がいるかもしれませんが、規制が強化された現在ではこれは愚策です。
YouTubeのAIや監視員から「意図的に子供向けコンテンツでないものを子供向けコンテンツ動画として設定している」と思われた場合は、広告がつかなくなるのはもちろんのこと、最悪の場合アカウントを停止されてしまいます。
YouTubeの子供向けコンテンツや大人向けコンテンツに詳しくない人は、上記のように「成人している人でも視聴できるか」を基準としやすいのですが、YouTubeの場合は「12歳以下の子供が視聴するに適しているか」を考えた方がいいでしょう。
このような考えは、最初から「子供向けコンテンツに設定しない」と決めておけば考える必要はありません。
ただし、今まで子供向けコンテンツを提供していたのに子供向けコンテンツではないと設定した場合、これからチャンネル登録してくれるであろう子供向けコンテンツが好きなユーザーのチャンネル登録分を機会ロスしてしまう可能性も考えられます。
子供向け動画を投稿したいのであれば子供向けに設定しておいた方がチャンネル登録者は増えるので、その場合は他の対処法で広告停止対策を取ってください。
子供が登場しない動画を投稿する
子供向け動画かそうでないかに関わらず、子供が登場している(クレヨンしんちゃんのようなキャラクターとしての子供は問題ありません)動画は、YouTubeのAIが子供向け動画として認識する可能性があります。
その場合、内容が過激だと判断された場合は広告が停止されてしまう可能性があるので、広告停止を防ぐという意味でも、子供を登場させる動画を控えた方がいいでしょう。
子供向け動画に設定する場合でも、例えば出演する子供が誹謗中傷される可能性等を考えて、出演させないようにした方がいいかもしれません。
過激な内容動画を投稿しない
「子供が好きそうな内容ではあるけど教育的によくない動画」も広告停止もしくはアカウント停止にされてしまう可能性が高くなっています。
例えば、子供向けキャラクターのしまじろうを3Dカスタムで爆発させたり、正義の味方であるアンパンマンが弱い者いじめをしている絵を動画として投稿したりすると、教育的によくないと思われる可能性が高くなります。
他には、子供が好きそうなスプラトゥーンやマインクラフト等のゲームで暴言を吐いたりした場合も、規制対象となります。
このような動画を子供向けコンテンツとして動画投稿しないようにしてください。
過去の動画も見直しておいた方がいい
自分が投稿した過去の子供向けコンテンツも見直しておいた方がいいです。
YouTube Studioのホーム画面から「動画」を選択して、自分が投稿した過去の動画をクリックしてみてください。
動画のコメントや再生リスト、カード等を編集する画面に、上記のような文章が追加されています。
デフォルトでは「子供向けではありません」にチェックが入っていますが、誤って「子供向けです」と設定した場合は子供向けコンテンツとみなされてしまいます。
子供向け動画にすると規制対象となって、動画が不適切な場合は問答無用で動画広告を外されてしまいますので、いいえに変えておくようにしてください。