企業等が「この人材は本当に採用しても大丈夫なのか」と見抜く場合の参考にされる可能性は充分考えられていましたが、2020年9月より、ついに「裏垢特定サービス」が開発されました。
どのようなサービスなのか、どのように使うのかを見ていきましょう。
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裏垢特定サービスが新規リリース!
本来なら裏垢は「誰が書き込んでいるか」等はわかりませんが、企業向けに「裏アカウント特定サービス」が開発されました。
有料サービスなので気軽に活用することはできませんが、企業が採用者を決定する基準とする「信用調査」の要領で活用することはできます。
企業調査センター(KCC)が「Sトク」をリリース
裏垢特定サービス「Sトク」はTwitter等のサービスやツールの一種ではなく、企業専門の調査会社「企業調査センター(KCC)」がリリースしたサービスです。
ユーザー側が扱うことはできず、KCCが独自に調査を行って調査対象に裏垢は存在するか等を特定します。
「人材」「取引先」の二つのリスクを解決するためのサービスを展開しているKCCの信頼性は高く、様々な調査に関する実績があります。
特に、近年では新型コロナウイルスの影響でウェブ面接が増えた関係上、企業の人事担当も採用者の本質を面接で見抜くことが難しくなっています。Twitter等の裏垢を調査すればある程度人間性が見え、雇用にあたってリスクのある人材かを確かめることができます。
正規リリースは9月7日
Sトクの正規リリースは、以前から9月7日と告知されていました。しかし、9月4日時点で裏垢調査の依頼を行うことができます。
「実際に稼働していくのは9月7日から」という意味での事前告知の可能性もありますが、調査相談をしてどのようなサービスなのかを問い合わせることは可能です。
展開されたばかりのサービスだと調査実績もその分薄くなりますが、KCCの場合は他の調査である程度実績があるので、信用面は問題ありません。
「問題社員となりうる人材をマーク・不採用にするため」のサービス
裏垢は「匿名で自分が何者かを明かさず日々の愚痴を行うアカウント」や「公序良俗に反するツイート等を行うアカウント」のことを差します。
現実世界の友達や知人に知られたくないようなツイートも多く、大抵の人は誰にも裏垢の存在を明かさずに生活しています。
この裏垢では「知っている人は誰も見ていない」と頭に入っているので、知っている人物の愚痴を言ったり非常識なツイートをつい行ってしまいます。いわゆる「誰にも言えない自分の本心」を呟く場所だと考えてください。
人によっては裏垢でツイートする本心が「会社に不利益をもたらすような内容」である可能性もあります。例えば、犯罪行為を行っていることを平気でツイートするケースです。
裏垢特定サービスは調査対象に「裏垢があるか」「裏垢で何を呟いているか」を調査するサービスで、この情報を元に企業がこの人物を本当に雇っていいかを確かめることができます。
調査方法について
調査方法は「バックグラウンド調査」と呼ばれる、調査対象の周辺を中心に行われる調査です。
「裏垢を特定すること」を目的としているので、まずは調査対象の出身や現住所・立場(在学している学校・何人暮らしか等)を参照にして、該当する裏垢がないかを抽出していきます。
抽出した裏垢の中に調査対象と思われるアカウントがあるかをチェックしますが、日々のツイートや他人のリプライ(送られているリプライも含みます)等が参考にされます。
いずれもKCC独自の調査で、調査力に関してはKCCの他調査サービスで証明されています。
本当に特定されてしまうのか
KCCが提供する裏垢特定サービスはまだ本格的にリリースされていませんが、「裏垢特定率88%」という数値を紹介しています。
この88%は「今まで行ったインターネット・SNSにおける調査サービスの実績」から割り出した数値である可能性が高いです。
88%という数値が大きい上、そもそもKCCという企業向けの調査サービス会社の中では最大手がリリースしたサービスであることも相まって、「高い確率で裏垢が発見されてしまう」と考えるのが筋でしょう。
ただし、調査会社や探偵会社における「88%」はそこまで高い数値ではありません。
多くの調査会社や探偵会社の調査実績は公式サイトで紹介されていますが、大抵の会社が「95%以上」だと紹介しています。そのため、88%が本当の調査成功数値だとしたら、やや心細い印象はあります。
「バレる可能性は非常に高いけどこちらが対策すればバレない12%に組み込むことは可能」だと考えてください。
ただし、「裏垢をよく使うアクティブユーザー」はより注意する必要があります。
実績で紹介されている88%という数値は「あまり裏垢にアクセスしない40代から50代」も調査対象に含めた数値になっていて、よくアクセスする人とアクセスしない人を総合的に合わせた結果です。
一般的にインターネット・SNSをよく使う新卒等の20代から30代は頻繁にツイートや投稿を行っているので、その分裏垢が特定される可能性は高くなります。もちろん、30代から40代前半の人も、Twitterをよく使っている場合は88%よりも特定率が高くなります。
裏垢特定サービス「Sトク」の使い方
裏垢特定サービスのSトクは、KCCの公式サイトにてサービスが展開されています。まずはこちらからアクセスしてください。
KCCがSトクのリリースを大々的に告知しているのでトップ画面からもSトクページにアクセスすることができます。赤枠部分を選択しましょう。
Sトク画面を開いたら、詳細説明ページを下にスクロールして「お問い合わせ・相談はこちら」を選択します。
入力フォームに必要事項を記載してください。KCCは企業向け調査サービスなので企業名が必要です。
メールアドレスと電話番号を記載して、後にKCCが折り返しのメール(もしくは電話)を送ってくれます。そのメールに調査に関する詳しい情報が記載されているので、参考にしてください。
料金は完全成功報酬制!
プラン名称 | 料金 | 調査・業務内容 |
Sトク | 8000円(完全成功報酬制) | 調査対象の裏垢を発見する |
Sトク+プラス | 15000円(完全成功報酬制) | 調査対象の裏垢を発見し、アカウントを調べて依頼会社が知りたい懸念事項を調査。独自の判定を加え報告 |
調査会社や探偵会社の調査は原則として1万円以上が費用として必要ですが、Sトクの場合は1万円以内でサービスを受けることができます。
Sトク+プラスになると料金が倍近くに跳ね上がりますが、その分裏垢を隅々までチェックしてくれて、信用に足りる人物かも判定してくれます。
また、料金は「完全成功報酬制」という方式を採用していて、調査がうまくいかなかった場合は料金は0円で済みます。
裏垢を特定されないようにする方法
普段から裏垢を使っていてこれからも使いたいと考えている人にとっては大きな問題となりうるので、特に新社会人になる人や転職を考えている人は、裏垢特定サービス対策として、「特定されない可能性を増やす方法」を実践するのを強くおすすめします。
鍵アカウントにする
鍵垢にするメリット
- 投稿を閲覧できなくする
- 自分が送ったリプライを閲覧できなくする
- リツイート・いいねの情報を閲覧できなくする
上記の鍵アカウントにするメリットはTwitterの場合ですが、投稿している情報そのものを閲覧できなくする対処法は非常に有効です。
企業が知りたい裏垢に関する情報は「調査対象者の人間性」で、この人間性を知るために一番参考にしたい部分がツイートや画像の投稿だからです。
鍵アカウントにした場合でも公開されてしまう情報があります。
Twitterの場合なら「相手から送られているリプライ」や「Twitterのプロフィール」が鍵をかけても見られてしまう可能性があります。
リプを送り合っている相手と公序良俗に反するような内容のツイートをしている場合(脅し行為・叩き行為含む)は、相手のリプライからも会話内容が推測されてしまいます。Twitterのプロフィール上に「人を陥れるのが大好き」等、人格が疑われるようなことを記載していた場合も、企業からチェックされてしまう恐れがあります。
リア友等と一時的にフォロー解除する
リア友も裏垢を知っていて自分をフォローしている場合・相互フォローしている場合は、そのリア友のアカウントを一時的にブロックした方がいいです。
リア友が個人情報を公開していた場合、その個人情報の中に自分と関係する内容があった場合、特定へと繋がってしまいます。
また、リア友との会話内容すらも特定の材料となりかねないので、彼ら彼女らとのリプライツイートも消去した方がいいでしょう。
投稿やプロフィールを工夫する
工夫内容
- プロフィールを変更する
- まずいと思ったツイート・リプライを削除する
- 公序良俗に反するツイートを行わない
- 表アカウントがある場合は似たツイートをしない(している場合は削除する)
- 表アカウントと同じ人をフォローしない
特に「表アカウントがある場合」は注意が必要で、自分がフォローしている人や裏垢と同じようなツイートから特定に繋がってしまいます。
また、言い回しや自分がよく使う単語、よくツイートしている内容が似ている場合も特定の材料となってしまうので、表垢と裏垢で言い回し等を変える工夫も大切です。例えば、同じアプリのことをツイートしている場合は、そのツイートや投稿画像から同じアカウントであることがバレないようにしましょう。
写真等を投稿している場合は削除する
写真等を投稿している場合も削除した方がいいです。
ちょっとした風景写真から住所まで特定されてしまうケースもありますし、「位置情報のあるアプリ・現実世界の地図とマッチしているアプリ(ポケモンGO・ドラクエウォーク等)」も注意が必要です。
例えば上記はポケモンGOの画像ですが、場合によってはこの画像だけでも生活区域がおおよそに判断されてしまう可能性があり、各アプリのスポット(ポケモンGOの場合はポケストップ)にも地名が書かれているので、特定の材料になりかねません。
アカウントを消す・別の裏垢を増やすのは有効なのか
今の裏垢を消して新しい裏垢を作り直す方法も、裏垢特定サービスの目をかいくぐる対処法になります。
裏垢を消す場合ですが、消したアカウントを復活させるためには自分しか知りえないパスワードと登録メールアドレスを入力する必要があります。これはいかに優れた調査会社でも不可能なので、裏垢を消す行為そのものは非常に有効です。
また、KCC側も「裏垢が複数あるかもしれない」と頭に入れているので、ダミーの裏垢を増やしたとしても再調査で自分がメインに使っている裏垢がバレる可能性は充分考えられます。