iOS13.6が配信され、iPhoneやiPadがさらに使いやすくなりました。
アップデートした直後は大抵の場合なんらかの不具合が発見されつつありますが、今回はそもそも一部iPhoneの脆弱性を直すものなので、そこまで大掛かりな不具合は発見されていません。
それでも一部の不具合があります。どのような不具合か、どのようなアップデートなのかはチェックしておきましょう。
iOS13.6のアップデートが開始
iOS13.6のソフトウェアアップデートは設定していなければ自動で行われるので、既に端末がiOS13.6と化している人も多いです。
アップデート詳細
- iOS13.6へのアップデート
- アップデート所要時間 約28分(ダウンロード13分・インストール15分、端末の環境によって誤差あり)
- アップデート容量 385.8MB(端末の環境によって誤差あり)
中型アップデート
今回のiOS13.6はそこまで大掛かりなアップデートではありません。せいぜい「中型アップデート」くらいです。
iPhoneの機能の一部が大きく変更されるわけではなく、一部の機能に新機能が追加されただけで、その一部の機能も2つしかありません。残りは今までに発生していたiPhoneに関する各種不具合の解消です。
「従来のiPhoneの機能と大きく変わるのならアップデートしたくない」と考えている人は、アップデートして新機能を活用することをおすすめします。
一部iPhoneの脆弱性をケアするための緊急アップデート
iPhoneの一部機種(iPhone4SからiPhoneXまで)の端末では、前々からiPhoneそのものの脆弱性が危険視されています。
外部ソースが発見した後にApple社が対策に乗り出していましたが、iPhone4SからiPhoneXまでのユーザーには「早急にアップデートしてほしい」と対処法を紹介していました。
今回のiOS13.6でiPhoneの一部機能の脆弱性をケアしようと考えていて、アップデートの中に脆弱性解消も含まれています。そのため、中型アップデートとはいえアップデートの緊急性は非常に高いです。
iPhone4SからiPhoneXまでの端末に発見された脆弱性の詳細と対処法を徹底解説
iOS13.6のアップデート内容
iOS13.6の主なアップデート内容は新機能追加と過去に発生していた不具合等の解消です。
車のデジタルキー化
iOS13.6の新機能追加で一番注目を集めているのが、「車のデジタルキー化」です!
対応されているiPhone端末と対応予定の車種には制限があるので、全てのユーザーが使えるわけではありません。実際に使えるようになったら車のカギを落としてしまったとしても車を空けることが可能となる便利な機能です。
詳細
車のデジタルキー化の詳細
- 一部の車種・iPhone端末にのみ対応
- 機能は「ロック」「開錠」「エンジン」
- バッテリーが切れても予備充電により最大5時間までキーとして利用可能
- iCloudを使うことで紛失した際のデータを削除できる
- iMassageにて家族や友人最大5人にカギの貸し出しが可能
特筆すべき部分は「紛失しても対応可能なこと」と、「共有ができること」ですが、どちらもiCloud・iMassage等の他のiPhoneアプリを活用する必要があります。
2020年7月現在では対応している車種は非常に少なく多くの人がまだデジタルキー機能を使えない状態です。今後発売されるモデルがデジタルキーに対応されていく可能性はあります。
対応車種・対応iPhone
対応iPhone
- iPhoneXR
- iPhone XS、
- iPhone XS Max
- iPhone 11
- iPhone 11 Pro
- iPhone 11 Pro Max
- iPhone SE(第二世代)
対応車種
- BMWのモデル1から6・8・X5・X6・X7・X5M・X6M・Z4
- 2020年7月1日以降に製造されたもの限定
- 今後も対応車種は増えていく見込み
現時点ではまだまだ対応されていない車の方が多いのですが、これから製造されていく車種では対応されていきます。
設定方法
設定に使うアプリは「Wallet」と「購入した対応車種のメーカー公式アプリ」です。
おおまかな流れは購入した対応車種のメーカー公式アプリから「デジタルキーパスワード」を取得します。実際に車を購入すればデジタルキーパスワードの取得が可能です。
デジタルキーを設定するためにはWalletを開く必要があります。
iPhoneトップ画面に表示されていない可能性もあるので、その場合はトップ画面真ん中を下にスライドして検索を呼び起こし「Wallet」を選択してください。
Wallet内の「Apple Playをはじめる」の中にある「追加」を選択します。
基本的にWalletではクレジットカードやSuicaカードを登録して、かざし支払いができるようになります。
そのため、カードをスキャンして登録することになりますが、デジタルキーパスワードはカードではなく「対応車種アプリからのキーコード」が必要なので、カードはありません。
「カード情報を手動で入力」を選択しましょう。
「名前」の部分には対応車種アプリの公式サイトに登録した名前(購入者の名前)を、カード番号の部分にパスコードを入力して、自分のキーをWalletに登録してください。
メーカー側(車メーカー)もデジタルキーをウリに商品を販売してくる可能性が高いので、わからないことがあればそちらでも対応可能です。
ヘルスケアで共有設定が可能
iPhoneにインストールされている「ヘルスケア」というアプリもバージョンアップしています。
「周期記録」は妊娠した女性・妊娠が考えられる女性向けの機能ですが、こちらを設定していた場合記録された症状等を他のAppと共有することができます。
追加された症状は下記の通りです。
追加症状
- ほてり
- のどの痛み
- めまい
- 悪寒
- 下痢
- 咳
- 気分の変化
など
ヘルスケアアプリの「ブラウズ」を開いてみると、周期記録の下に「症状」と記載されています。新しく追加された項目です。
症状一覧が表示されるので、こちらから自分が該当する症状を選択して、自分の体調管理を行ってください。
ただし、この機能は元々「iOS13.6のベータ2」で実装される予定だったこともあるせいか、一部のユーザーはアップデートしたにも関わらずまだ追加されていません。
その他のバグ修正
他にも、iOS13.6のアップデートで今まで発生していた数多くの不具合が解消されています。
解消された不具合
- Wi-Fi接続時にデバイスアップデートをダウンロードするかの追加機能が正しく表示
- iCloud driveデータ同期中にAppが反応しない問題を解消
- データローミング関連のエラー
- サスカチュワン州(カナダ)からの電話の一部がアメリカから発信される表示になるエラー解消(日本は関係なし)
- Wi-Fi通話で音声が途切れ途切れになる問題を解消
- Wi-Fi通話の登録ができない問題を解消
- Apple以外のハードウエアキーボードに接続するとエラーが出る問題を解消
- ハードウエアキーボードの設定を日本語にしているのに英語になる問題を解消
- Assistive Touch有効時にコントローラーパネルを開くと安全性が損なわれる問題を解消(脆弱性解消の要の部分です)
- VPN接続で送信されるトラフィックから除外されるドメイン管理者を指定できるメカニズム追加
iOS13.6で発見された不具合について
iOS13.6のアップデート後に発見された不具合について紹介します。
そこまで多くの機能追加でなかったので、不具合はそこまで起きていません。各アプリともに正常に機能しています。
バッテリー消費が多い
以前から問題視されていましたが、バッテリーの消費がやや多くなった問題は健在です。
普通にアプリでゲームをしているだけで結構な量の充電が切れてしまうようになっていますが、iPhoneが古い場合、バッテリーがそもそも傷んでいるユーザーもいるので、はっきりとした症状を出しづらいのが現状です。
バッテリー関連は不具合解消の中にもなかったので、今もまだ多くのユーザーに残っている可能性が高いです。
AppleStoreで購入済の非表示が機能しない
AppleStoreで購入済みアプリを非表示にしたい場合は、「購入済み」を選択して各アプリを右にスライドして出てきた非表示を選択すれば問題なく非表示出来ていました。
稀に非表示を押したとしても上記画像のように固まって非表示を選択できなくなってしまうことがあります(バックボタン等は反応するので完全なフリーズではありません)。
Safariで不具合発生
Safariでも不具合が見られることがあります。
Safariで見られた不具合
- 画面が白くなってフリーズする(バックボタン等は対応)
- ある程度時間が経つとリロードされてしまう
フリーズやリロードが発生すると、快適にインターネットで検索ができなくなってしまうので大きな問題となります。
正常にコピペできない
iPhoneには元々コピペ機能が備わっていましたが、コピペをしようとしても正常にコピペできない、LINEニュース等一部のコンテンツでコピペしづらい不具合も発生しています。
何度もめげずにコピペすればいずれか一回でも成功すればコピペは機能してくれるので、そこまで深刻な問題ではありません。
不具合の対処法
iOS13.6にアップデートした後に不具合が起こった場合はどのように対処すればいいかを紹介します。
そこまで深刻な不具合は現在では発生していないので、その場しのぎ程度の対処法でも問題なくiPhoneを使える可能性はあります。
低電力モードにする
「低電力モード」とは、スマホに使われる電力を抑えて充電を長持ちさせる機能です。
充電を節約しようとしてもバッテリーが傷んだ場合は対処が難しいのですが、これ以上傷むことがなくなります。
設定から「バッテリー」を選択してください。
バッテリー項目の一番上に「低電力モード」が存在します。こちらにチェックを入れてください。
一時的にWiFi・Bluetooth等を切ってみる
もし、外出するとき等にWiFiやBluetoothに接続する予定がないのであれば、設定でWiFi・Bluetoothをオフにしておくことをおすすめします。
外出時にWiFiを切っておくことによって、スマホがWiFi接続先を探す操作が省かれるので、その分充電を節約することができます。
ただし、Wi-Fiに接続する予定がある・自宅にいる等の場合はWiFiを付けておいた方がいいです。付けていないままスマホを操作してしまった場合、もしかしたら通信に負担がかかってしまいます。
ストレージに余裕を持たせる
ストレージに余裕がない場合、自分が使わないアプリ等がキャッシュを溜め込んだり自動アップデートによってバッテリーを消費してしまうことがあります。
そのため、いらないアプリ等はさっさと消してしまって、容量を節約すると共にバッテリーを保護してください。
設定から「一般」→「iPhoneストレージ」を選択しましょう。
ストレージ詳細画面の下に、自分がインストールしているアプリの一覧が表示されます。
いらないアプリを選択して「Appを削除」を選択しましょう。また、「Appを取り除く」を選択するとそのアプリのキャッシュをクリアできます。
Safari以外を活用する
Safariでエラーが発生しているので、快適にインターネットを使うためにSafari以外のブラウザアプリを活用してください。
iPhoneではデフォルトでSafariしかbらウザアプリがインストールされていないので、Google Chrome.・Firefox・Yahoo!ブラウザアプリ等をインストールするといいでしょう。
設定から画面フリーズを対処する
Safariの画面フリーズだけならSafariの設定画面から対処することができます。
設定から「Safari」を選択してください。
「詳細」を選択します。
「Experimental Features」と書かれている項目をタップします。
「Swap Processes on Cross-Site Navigation」をオフにすれば画面が白くフリーズする問題は解消されます。
Safariの試験的な機能のひとつで、どの項目も役割までは明らかにはされていません。
その他の対処法
その他の対処法
- 端末の再起動
- エラーが起こったアプリの再起動
- アプリのタブを全て閉じる
- 通信環境のチェック
など
現時点ではそこまで致命的な不具合は発生していないので、初期化する必要はありません。
上記のエラー対処法も手間でないことから、何か不具合が起こったらとりあえず試してみることをおすすめします。