近頃、ETC利用照会サービスをかたり、フィッシングサイトへ誘導するメールの報告が頻発しています。
今回は、ETC利用照会サービスをかたるメールの詳細と対処法について解説します。
コンテンツ
ETCサービスは無効になりましたというメールが届く
2021年5月11日頃から、「ETCサービスが無効になりました」という内容のメールが送られてくる事案が発生しています。
[受信者のメールアドレス]様
ETCサービスをご利用いただきありがとうございます。
ETCサービスは無効になりました。
引き続きサービスをご利用いただきたい場合は、下記リンクより詳細をご確認ください。下記の接続から停止原因を確認してください。
[URL]
(直接アクセスできない場合は、手動でブラウザにコピーして開いてください)※このメールは送信専用です。
このアドレスに送信いただいても返信いたしかねますので、あらかじめご了承願います。
※なお、ご不明な点につきましては、お手数ですが、ETCサービス事務局にお問い合わせください。■ETC利用照会サービス事務局
年中無休 9:00~18:00
ナビダイヤル 0570-010239
(ナビダイヤルがご利用いただけないお客さま 045-744-1372)
上記のような本文内容となっているため、ETCサービスを利用できる利用者が受け取ると、無効と記載されているため不安を感じてしまいます。
メール本文にも「ETC利用照会サービス事務局」と記載があり、それらしい本文内容になっています。
しかしこれは、フィッシングサイトへ誘導して個人情報を抜き取る典型的な詐欺です。
メールに記載されている電話番号はETCと関係ない「佐川急便 成田営業所」の電話番号ですので、明らかな詐欺メールと判断できます。
詐欺フィッシングサイトの入力画面
詐欺メールに添付されているURLにアクセスすると、メールアドレスとパスワードを入力してログインする事が求められます。
この時点でログイン情報を入力すると、支払い方法を更新する画面へと移動します。
次に「ご本人様確認項目の入力」を求められ、続いてクレジットカードを始めとした個人情報の入力を求められます。
入力させられる情報
- メールアドレス(ID)
- パスワード
- 名前(漢字、フリガナ)
- Eメールアドレス
- 携帯電話番号
- 生年月日
- 住所
- カード情報
全て情報を入力すると、「あなたの資料が更新されました」の画面が表示されます。この時点で入力した個人情報を相手に教えた状態になっているので、クレジットカード会社に連絡してカードを止めるなどの方法が必要です。
メールを見て慌てても、一旦冷静になってアプリやWebブラウザからETC利用照会サービスへアクセスしてください。
メールの件名
メールの件名はフィッシングサイトに誘導したいので、目に止まるような件名にしている場合が多いです。
確認されている内容としては以下があります。
怪しいメールの件名
- 【重要】普段と異なる環境からのログインを察知しました(ETC利用照会サービスピューロー)
- 「ETC利用照会サービス」アカウントの有効性を検証する必要がある
- ETC利用照会サービス
- ETCサービスのお知らせ
- ETCサービス
- ETCサービスシステムア通知
- ETC利用照会サービス
ETC照会利用サービスからの連絡と思わせるような件名になっています。
メールのドメイン
下記ドメインを使ったメールアドレスが、ETC紹介で使われているものです。変更になる事もありますが、下記以外は以外は詐欺を疑った方がいいです。もしETC利用照会サービスからメールが届いたら、まずアドレスを確認しましょう。
アドレスの一部を大文字にしていたりなど、ぱっと見でわかりにくいようにしている場合もあるので、注意が必要です。
またメアドを偽装している事もあるので、メアドでの判断は1つの指標としてのみ使うのが良いでしょう。
正しいメアド
- admin@ml.etc-meisai.jp
フィッシングサイトのドメインは微妙に違う
リンク先URLのドメインをチェックしましょう。1つのWebサイトに1つしか割り当てられません。
つまり、本物のETC利用照会サービスのドメインと違えば、フィッシングサイトです。
現在、確認されているドメインは以下になります。
注意
- https://info.etc-jp.●●●●.fm/
- https://service-etc-jp.●●●●/
- https://service-etc-jp.●●●●.am/
- https://www.etc-meisai.jp.●●●●.cn/
- https://www.etc-meisai.jp.●●●●.shop/
- https://etc-meisai.jp.●●●●.shop/
- https://etc-meisai.jp.●●●●.top/
上記以外のドメインやURLを利用されている可能性があるので、当てはまらないURLだからといって安心しないでください。
ETCサービス無効メールが来た時の対処法
では、実際にETCサービス無効のメールが来たときにはどうすればいいのか。
最も効果的なのは「無視すること」ですが、それ以外にも対処法はいくつかありますので、解説していきます。
公式アプリやブックマークしているウェブブラウザからログイン
ETCサービスが無効になったか気になる場合は、公式アプリかブックマークしているウェブブラウザからログインして確認しましょう。
メール内のリンクは100%フィッシングサイトに繋がっています。
姿形を巧妙に似せているので、注意して見ても本物と酷似しています。
その点、公式アプリやブックマークしているウェブブラウザからのログインなら、本物にしか繋がりません。
ETC利用照会サービス公式の経路を使って確認しましょう。
メール内のリンクを踏まない
メールに記載されているリンクを踏んではいけません。URLをタップorクリックするのは厳禁です。
ただ、メールによってはURLではなく「ご変更はこちら」のような形で文字にリンクを貼っている場合があります。
その際は、文字が青くなっていたり下線が引いてあったりするので、見分ける際の参考にしてください。
個人情報を入力しない
もしリンクを踏んでサイトに飛ばされてしまった場合、ウイルスに感染したり、アクティブなメールアドレスだと判断されて更に迷惑メールが来るようになるケースが考えられます。
メールが来た際は、リンクを誤って踏まないように注意して操作しましょう。誤ってリンクを踏むと、ページによってはログイン情報を訊かれますが、無視しましょう。
すぐに前の画面に戻るか、入力画面を消してください。その時点で気になる方は、念のためでも問い合わせをしておくといいでしょう。
ETC紹介の名前を使った詐欺に関連する事なので、問い合わせを躊躇する必要はありません。
ETC利用照会サービスはメールを配信していない
ETC利用照会サービスは、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社の6つの会社が運営するサービスです。
全国の高速道路で利用されるETCカードの走行状況を利用者に提供するために運営されています。
そのためETC利用照会サービスは、利用者の個人情報やクレジットカード情報を取得していませんし、メールやホームページで案内することもがないと公式でアナウンスしています。
ですので、ETC利用照会サービスのETCカード無効メールは、ほぼ全て詐欺と思って大丈夫です。ETC利用照会サービスからサービス無効のメールが来ても、慌てずに対応しましょう。
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