Googleの利用規約が改訂されました。
今回の改訂によってユーザー側にどのような影響が出るのかなどを変更点を踏まえながら解説します。
3/31から適用。一般利用者に分かりやすく明記
Googleが利用規約を改訂しました。改訂された新しい利用規約は、2020年3月31日から適用されます。
利用規約を改訂したことによって、ユーザー側が何らかの影響が出ると思われますが、今回の改訂によってユーザー側に大きな影響は出ないものとなっています。
新しい利用規約は、内容は従来とそれほど差異は出ていないものの、一般ユーザーが目を通しても普遍的かつ具体性のある文章で書き出されているため、これまで理解しづらかった部分が分かりやすく、そして明言されています。
改訂に至った経緯と広告事業解説特設サイト
Googleの利用規約が改訂された経緯ですが、欧州の消費者グループが一部の条文がユーザーの権利を損なうものとして裁判を起こし、欧州の裁判所が利用規約の改訂を求めたことです。
近年では、ユーザーがプライバシー取り扱いに関する関心が高まり、個人情報が知らないうちに売買されていないかなどについて関心を持っていますが、Googleでは改訂に合わせて「広告事業の解説」を行う特設サイトを設立しました。
主な変更点
新しい利用規約では、次の4点が主な変更点になります。
ポイント
- 【読みやすさを改善】
ユーザーが理解しやすいように、リンクの追加や定義を記載し、理解しやすくしました。 - 【より良いコミュニケーション】
サービス変更や追加、サービス提供の中止の際には明確に説明を行ってきましたが、何らかの変更や終了などを伴う場合は事前いユーザーに通知を行うようになります。 - 【Google Chrome、Google Chrome OS、Google ドライブを規約に追加】
新たにGoogle Chrome、Google Chrome OS、Googleドライブも対象に。これらのサービスに固有の内容を理解できるように特定の規約とポリシーも追加を行っています。 - 【プライバシー ポリシーは変更なし】
プライバシーポリシーに対する変更は行っていません。
3月31日からは新たに適用されますが、今回の改訂はユーザーの理解を促進するために表現を分かりやすくするためのものになっているため、利用規約やプライバシーポリシーに大きな変更は伴っていません。
改訂された部分
各項目の主な変更部分を解説します。
本規約に含まれる内容
「本規約に含まれる内容」を新たに利用規約に追加し、Google が常に正しいと信じてきた事柄、新たなGoogle のビジネスの仕組みの概要など、本規約の編成に関係するドキュメントへのリンクを追加し、ユーザーの理解を深める改訂が行われています。
サービス提供者
規約の締結先とサービス提供元の会社の名称および住所を明記しています。
年齢に関する要件
Googleサービスの利用に適用される年齢制限について定義。
なお、この規約は新たに追加され、ユーザー自身のGoogle アカウントを管理するための固有の年齢制限へのリンクを追加したことでユーザーの理解を深めるとともに、保護者がどのような場合にサービス利用時の子どもの行動に対して責任を負うかについて説明しています。
ユーザーとGoogleの関係
この規約は新たに追加され、Googleと表記されている場合は「何を指すものか」を明言するとともに、ユーザーの理解を深めるためにリンクを追加しています。
ユーザーがGoogleに期待できること
法的な要件や緊急時を除いて、Googleが提供するサービスで変更を行った際に生じる否定的な影響をユーザーに通知することを明言しています。
Googleがユーザーに期待できること
特定のサービスに適用される規約を容易に見つけられるようにリンクを追加するとともに、ユーザー同士が交流する際の「基本的なルール」を明確にしました。
ユーザーのコンテンツに対する使用許可
「ライセンス」を簡単に理解できるように文章の構造、表現を分かりやすくするために「具体例」を用いるようになりました。
「ライセンス」をより明確にし、対象になるものと対象にならないものを明言しています。
ユーザーのGoogleアカウント
ユーザーの理解を促進するためにリンクを追加しています。
組織の代理としてGoogleサービスを使用する
ユーザーが組織の代理としてGoogleサービスを使用する場合に、Googleアカウントの管理者がサービスの利用方法を管理する可能性があることについて説明しています。
サービスに関連するコミュニケーション
Googleがサービスに関してどのような方法でユーザーとコミュニケーションを取り、ユーザーからのフィードバックをどのような方法で使用しているかについて説明しています。
Googleサービス内のコンテンツ
ユーザーの理解を促進するためにリンクを追加するとともに、Googleのブランド表示を使用したい場合に必要な許可についても解説しています。
Googleサービス内のソフトウェア
Googleがユーザーに付与するライセンスについての説明を分かりやすく改訂しました。
問題および意見の相違がある場合
ユーザーが法律により、一定のサービス品質、正常に機能しない場合に問題を解決する方法について権利を有すること。本規約がそれらの権利を制限または剥奪することは一切ないことを、より明確な言葉で説明しました。
保証
相応の技術と注意をもってサービスを提供することを約束しています。
免責
本規約とサービス固有の追加規約に基づいて法的な責任を特定および制限した免責条項を提示しています。
法的責任
責任を負うのは、追加規約に記載されている権利・法的責任、法律によって制限できない事項のみに限ると明言し、死亡または人身傷害・不正行為・重過失や意図的な違法行為などの特定の事項については法的責任が制限されないことを明確しています。
ビジネスユーザーや組織向けにGoogleから払い戻しを受けられる金額の増加、責任を負わない事項の特定、問題が発生した際にGoogleが責任を負うかについての文言を新たに追加。また、規約に違反した際のGoogleに提供する補償を明確にしています。
問題が発生した場合の措置
どのような状況でコンテンツの削除、サービスへのアクセス一時停止もしくは停止を行う可能性があるのかを明確にし、措置を講じる前に、ユーザーに対して可能な限り通知を行うと明言しています。
また、これに加えて異議申し立てを行う際のリンクを追加しています。
子どもがYouTubeの視聴しても問題は無いか?
規約セクションの「年齢に関する要件」にて言及していますが、従来の利用規約と同じ内容であるため、これまで通り保護者の管理下で視聴することは可能になっています。